明暗が分かれた2頭の関東馬 ~ヴィクトリアマイル

ヴィクトリアマイルは、G1挑戦6度目にして、ついにホエールキャプチャがG1ホースとなりました。関係者の皆さん、おめでとうございます。

ホエールキャプチャは阪神JFと桜花賞では2着、オークスと秋華賞では3着と、常に上位争いをしながら、2,3歳時はG1には手が届きませんでした。桜花賞と秋華賞では1番人気に支持されながらの敗戦で、関係者の方も悔しい思いをされたことでしょう。
それが昨年のエリザベス女王杯で初めて馬券圏外の4着と破れると、休み明けの今年の中山牝馬Sでは生涯最低の5着に破れ、その影響か、今日は単勝7.2倍の4番人気となりました。

しかしこの2ヶ月でよく立て直したと思います。調教ではきびきびとした動きで美浦の坂路を駆け上がり、かなり好印象を与えました。
レースは飛び出したクィーンズバーンとドナウブルーの直後につけ、ぴったりと折り合います。そして直線では、早めに抜け出すとふわふわするということで、横山典騎手がぎりぎりまで追い出しを我慢し、坂でドナウブルーを突き放すと、最後までしっかりと走って、見事にG1初勝利を飾りました。

レースの最初の600mは34.4とここ2年よりは遅いペースでしたが、そこから33.8で上がったのでは、後続の出番はありません。先行した2頭のワンツーとなり、唯一後方から33.5で追い込んだマルセリーナが1 3/4馬身差の3着まで。

1番人気のアパパネは、中団追走から一旦は3番手まで上がるものの、最後は後ろから差されて、2 1/2馬身差の5着に終わりました。
アパパネといえば休み明けはやや凡走するものの、本番ではきっちりと復活するというのがパターンでした。しかし昨年のエリザベス女王杯では3着に終わり、今回の休み明けは見せ場のない7着と、かなり復活が疑問視されたのが、1番人気ながら単勝4.0倍というオッズに現されていたと思います。
力の入った最終追いきりといい、悠然と歩くパドックといい、勝ってもおかしくない雰囲気は漂わせていましたが、やはり完全復活とはいきませんでした。

しかしアパパネ自身も上がり33.8で走っており、決して凡走したわけではありません。現状では、力を出し切った結果といえるでしょう。
ただし昨年の勝ちタイムからは0.9秒遅く、また一旦前に並びかけながら、最後は後ろから来た馬に差されて5着という結果は、厳しい現実を示していると思います。

関東馬による古馬牝馬トップの世代交代という様相ですが、もうアパパネの復活はないのでしょうか。
昨年のブエナビスタのように、最後に5冠馬の意地を見せてくれることを期待せずにはいられません。あの少しだけ前にいるという、真に強くないとできない勝ち方を、また見せてもらいたいものです。

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